株価右肩上がりで増配を続ける東京海上HD(8766)に関する記事です。この記事では東京海上HDの業績や特徴、今後の展開など投資家目線で分析していきます。
東京海上HD(8766)高配当銘柄。日本No.1の損保企業の実力とは
この記事の要点です。
- 損保業界における売上は日本ナンバーワン
- 海外事業を拡充
- 株主還元に積極的
- 業績、財務好調
- 株価は妥当、長期保有向けの高配当銘柄
日本No.1の損保会社
企業情報です。
社名 | 東京海上ホールディングス(株) |
設立 | 2002年 |
本社所在地 | 東京都千代田区 |
社員 | 706人 |
代表取締役社長 | 小宮 暁 |
決算期 | 3月 |
事業 | 損害保険、生命保険、保険業 |
大株主 | 日本マスター信託口 日本トラスティ信託口 |
メガ損保で首位級。
自動車保険料の引き下げや自動車保有率の減少により、日本での損保市場は収束気味です。そのため、海外M&Aを積極的に行い、収益源を拡張しています。
事業
事業は大きく分けて
①国内損害保険
②国内生命保険
③海外保険
の3つに分けられます。
事業別の利益はこんな感じです。

海外保険が勢いを増してきており、日本の割合を超えそうです。
今後も海外展開を活発化させる見込みとなっています。
株主への還元を重視
東京海上HDのIR資料を読んでいるとしつこいくらいに株主還元について書かれています。
こちらは同社の経営戦略になりますが、”高水準の株主還元”と謳われていますね。
事業の利益をなるべく株主に還元するように提言しているのは投資家としては心強いです。
こちらは配当金の推移です。

引用:https://www.tokiomarinehd.com/ir/library/annual_report/dhgn2a000000kqlf-att/20190830_j3.pdf
増配を続けていますね。
配当金も3%を超えており、高配当銘柄の仲間入りをしています。
損保企業の優位性とリスク
優位性
安定性がある
保険会社はウォーレン・バフェットも安定した投資対象として好んでいました。
理由は以下です。
・安定した収益が望めるビジネスモデル
・保険金支払いに備えて巨額の資産運用をしている
・設備投資などの費用がない
リスク
自動運転による事故率の低下
自動運転が発達することにより、車の衝突事故の件数が激減されることが予想されます。そうなると、わざわざ高いお金を払って保険に入る人は少なくなり、保険料が安くなってしまします。
災害の増加
なぜかここ数年、日本では過去最大級の台風や大雨、大雪に襲われています。この調子で災害が起き続けると、保険金の支払いが頻繁に起こり、利益を得られなくなってしまいます。
業績
2016年から2020年(予想)の業績推移です。

全体の売上は右肩上がり
利益も伸びている為、問題ないですね。
国内損保事業は堅調に推移していますが、海外保険事業は減収減益となっているようです。
財務良好
東京海上HDの財務情報です。
自己資本比率 | 15.4 |
有利子負債倍率 | 0.02 |
総資本 | 23,704(十億) |
自己資本 | 3,648(十億) |
設備投資 | 0 |
研究開発費 | 0 |
自己資本比率は15.4%と結構低いですが、問題ありません。
なぜなら有利子負債がほぼ0だから。
「自己資本比率が低い=有利子負債が多く、借金経営をしている」
と認識されていますが、同社の自己資本比率が低い理由は有価証券を大量に保有しているからです。
資産運用業務を行っている関係で、大量保有している有価証券が総資本に計上されている為、相対的に自己資本比率が下がっているということです。
※自己資本比率=自己資本÷総資本×100
設備投資、研究開発費が0
これは保険会社の大きなメリットと言えます。
工場や最先端技術を保有しない業界の為、これらにかかる費用がありません。
ウォーレンバフェットも言っていましたが、設備投資や開発費は少ない方が望ましいです。
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収益
同社の収益力に関する情報です。
売上営業利益率 | 7.6 |
ROE | 7.44 |
ROA | 1.21 |
収益力は高いとは言えません。
しかし、ライバルのMS&ADインシュアランスグループホールディングスよりは全ての指標において勝っています。
同社は株主が重要指標としているROEを意識した経営をしており、ROE改善の為の施策がIR資料にたびたび書かれています。
株価推移
5年チャートです。

株価 | 5,974円 | ||
PER | 12.9 | 信用倍率 | 0.85 |
PBR | 1.14 | 外国保有率 | 37.5% |
配当利回り | 3.77 | 浮動株 | 6.7% |
株価はじわじわ上がっていますね。
信用倍率も低く、配当利回りが高いので長期保有向けの高配当銘柄です。
PER、PBRが低いですが、業界自体が低めなので、そこまで割安ではないです。
今後も増配をしてくれそうなので、押し目買いを狙いたいところです。
まとめ
・業績は好調
・財務は良好
・株主還元に積極的
・高配当で株価はゆっくり右肩上がり
・自動車保有率の減少
・海外保険事業は不調
以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。