日本を代表するソニーが10月30日に発表した決算で情報修正したので、その要因と今後の株価の動きについて考察してみます。
ソニー(6758)上方修正。今後の株価とCMOSセンサーについて
この記事の要点です。
- CMOSセンサーは世界首位で需要増
- ゲーム事業は減収減益
- 株価は割高ではなく、テーマ株として株価が吊り上がる可能性がある
企業情報
社名 | ソニー株式会社 |
設立 | 1946年 |
本社所在地 | 東京都港区 |
代表取締役社長 | 吉田憲一郎 |
決算期 | 3月末 |
従業員 | 連結 114,400人 |
大株主 | シティバンクフォーデポジタリー9.2% 日本マスター信託口6.8% |
こちらはソニーグループの営業収益と従業員の国別の割合を示したものです。
引用:https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/download/20190805_sony_group_summary_J.pdf
日本の割合は50%以下です。
つまり、海外情勢や為替の影響を受けやすいという特徴があります。
大企業ではありがちですね。
幅広い事業を展開
事業は以下の6つになります。
引用:https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/download/20190805_sony_group_summary_J.pdf
意外と金融事業の割合が多くて驚きました。
調べてみると、ソニー生命という保険会社とソニー損保があるみたいですね。
ソニー損保はダイレクト系自動車保険会社の顧客満足度1位とのこと。
イメージセンサーでは世界シェア首位
ソニーと言えばPS4や音楽機器などのイメージが強いかもしれませんが、実は今一番業績に貢献しているのはCMOSイメージセンサーと言われる半導体部品です。
このCMOSイメージセンサーはスマホカメラ、ドライブレコーダーなどに内蔵されており、ソニーはこの市場において世界シェア首位を握っています。
今後は車の自動運転システムやFA機器などにも活用されるようになり、5Gの普及とともに受注が増えていく見通しとなっています。
ライバル会社は韓国の大手半導体会社サムスンです。
ソニーと同等の6400万画素のCMOSセンサーを開発しており、1億画素を目指して研究開発を行っています。
画素数で凄さがわかるのでわかりやすい。笑
PS4の販売台数減少
10月30日に発表された算では、連結業績の利益は上方修正していますが、ゲーム事業の利益は下方修正しています。
原因はPS4の売上数減少です。
同じ商品を2つ買う人はいないので、時間がたてば売れなくなるのは当然のことです。
ちなみにニンテンドースイッチの販売台数は4,157万台、PS4の販売台数は1億1000万以上となっていて、十分利益をもたらしてくれてくれています。
また、10月8日に2020年末にPS5の発売を発表しました。PS5の性能は株主の期待に応えられるものだとされていますが、この発表のおかげでPS4の新規購入者が減ってしまうことは目に見えています。
ソニーの主要事業だけに、PS4の売上減少は今後の株価に影響を与えてきそうです。
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株主優待
ソニーには株主優待制度があります。
100株以上保有でソニーストアで使える以下の割引券がもらえます。
・AV商品15%割引クーポン
・VAIO本体3%割引クーポン
クーポンはそれぞれ5回まで使用できます。
権利確定日は3月末となっています。
業績
2016年から2020年の業績推移です。

2019.03期は主にPS4などのゲーム事業が好調の為、売り上げが大きく上がっています。
2020.03期はその反動でゲーム事業の業績が落ちています。
ゲーム&ネットワーク分野
月額制サービスPS Plus 増収
ゲームソフトウェア、PS4 減収
音楽分野
ストリーミング配信の売上増加
映画分野
メディアネットワークの増益
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野
スマートフォン、テレビの販売台数の減少
イメージング&センシング・ソリューション分野
モバイル機器向けイメージセンサーの大幅な増収
つづいてEPSの推移です。

売上高と同じような動きをしていますね。
原因は同じくゲーム事業の後退です。
CMOSイメージセンサーがどれだけ伸ばせるかですね。
財務

自己資本は右肩上がり。いいですね。
自己資本比率は横ばいです。
比率が15%~20%程度なので、結構借金をして積極的な経営をしていますが、その分リスクもあります。
収益力
2016年から2020年のROE・ROA・売上営業利益率の推移です。

収益力は低い
昨年よりROE、ROAが減少しているのはサブスクリプションサービスのPS Plusの加入が減少したことが要因かと考えられます。
営業利益率は2017年と比べると倍になっていますが、それでもまだ低い水準ですので、15%以上は欲しいとこです。
株価のうごき
そソニーの5年チャートです。
引用:楽天証券_ソニー
株価 | 6,619円 | ||
PER | 15.51 | 信用倍率 | 2.09 |
PBR | 2.2 | 外国人保有率 | 56% |
配当利回り | 0.5 | 浮動株 | 12.4% |
株価は5年間で3倍に上がっています。
こんなに株価が上がっていてもPER、PBRはそんなに高くないですね。
外国人保有率が非常に高いので、NYダウの動きに注意です。
主力のゲーム事業が後退しているのに株価は上がってきているのは、イメージセンサーの期待が先行しているからです。
気を付けたいのはテーマ株のように期待だけで株価が吊り上がっていくことです。
5Gのテーマ株としてじわじわ株価が上がり、ふとした時にドーンと株価が下がることがあるのでPERの上がりすぎに注意しましょう。
まとめ
・CMOSイメージセンサーが好調
・最新決算では上方修正
・主力のゲーム事業は減益
・収益力低い
・自己資本比率が低い
以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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