ソフトバンクの株価が大きく下落しましたね。
この記事ではソフトバンクの会社の概要と下落した3つの理由について書かせていただきます。
Contents
ソフトバンク(9984)大暴落!3つの理由について
この記事で伝えたいこと
・ソフトバンクグループは巨大な投資組織を持つ
・投資先の企業価値に大きく影響を受ける
・携帯電話事業は好調
・WeWorkはビジネスモデルが悪い
・ソフトバンクの格付けは「投資に適さない」グレード
では会社の分析から見てみましょう。
企業情報
企業情報です。
社名 | ソフトバンクグループ(株) |
設立 | 1981年 |
所在地 | 東京都港区 |
子会社数 | 1,302社 |
従業員 | 単体 192人 |
年収 | 1,200万円 |
大株主 | 孫正義 日本マスタートラスト 日本トラスティ |
事業内容
ソフトバンクグループの事業は以下のように分けられます。
・ソフトバンクビジョンファンド事業
未上場の成長企業に投資して、上場後に売却することで、資金を獲得する事業です。
これがソフトバンクの中核を担う事業で、一番株価を左右する要因ともなります。
・ソフトバンク事業
日本での携帯電話事業になります。
・スプリント事業
米国における携帯電話サービスや、固定通信サービスを提供しています。
・アーム事業
プロセッサーのIPおよび関連ソフトウエア、ツール、IoTプラットフォーム、ソリューションテクノロジーを提供しています。
・ブライトスター事業
海外における携帯端末の流通事業および顧客のビジネスとシームレスにリンクするワイヤレスデバイスライフサイクルのあらゆる段階に関わるサービスを提供しています。
業績
こちらはソフトバンクの業績推移になります。
引用:https://www.buffett-code.com/company/9984/
売上はここ数年横ばいとなっています。
携帯電話事業は順調ですが、それ以外の事業が少し足を引っ張っているようです。
(ROEは自己資本利益率といって、どれだけ効率よく稼げているかを表す指標です。)
こちらは利益の推移になります。
引用:https://www.buffett-code.com/company/9984/
純利益はばらつきこそありますが、着実に増加していますね。
ファンドが株を売却したタイミングなどで利益は変動します。
これだけ見ると比較的安定した企業に思えますが、今期の3Q決算では赤字転落しており、ファンド事業の不安定さが浮き出ています。
株価暴落
こちら3月19日時点での株価です。

前日比-17%!
3年ぶりの安値
上場来最大の下落幅
を記録した日になりました。
下落した理由は以下です。
ビジョンファンドの評価損拡大
1つ目の理由は
ビジョンファンドが保有している株による損失です
前述したように、ソフトバンクグループの中核を担っているのはソフトバンクビジョンファンドという投資事業です。
この事業では主に株式投資をしていますので、投資先の株価が下がればこの事業の利益はマイナスとなっていしまいます。
そして現在、コロナショックの影響で世界中が株安となっているので、このファンドは巨額の評価損を抱えていることは明らかです。
もちろん公表はされていませんが。
同時に資金調達が困難になるので、さらに銀行から融資を受けることになります。
しかし、銀行に担保として預けている株も価値が下がっているので、追加担保を請求される可能性もあります。
この
・株による評価損
・資金調達
の2重苦により同社の経営は厳しいものとなるでしょう。
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WeWorkの株式買い取り計画の見直し
2つ目の理由は
WeWorkの株式の買い取りを撤回すると発表したことです。
WeWorkとはソフトバンクビジョンファンドが出資している会社でシェアオフィスを展開しています。
しかし、このウィーワーク、ふたを開けてみれば全然稼げないビジネスモデルでした
それでも孫正義はこの会社に追加で30憶ドル(3200憶円)もの株式買い取りを宣言していました。
そして3月18日、この30億ドルの買い取りを撤回する可能性があると発表されました。
ウィーワークが米証券取引委員会(SEC)や連邦地検、などから調査を受けていることが公開買取(TOB)に障害をきたしているからと理由に挙げています。
TOBの期限は4月1日。もたもたしている間に期限を迎えてしまう、ということです。
しかし、これは表向きの理由で、
ウィーワークに対してそこまで投資する企業価値がないという事実の表れでは、と懸念が広がっています。
なぜなら、TOBは期間延長が可能で、ソフトバンク側の意向で変更できるからです。
それをしないということは・・・
weworkの件に関しては、孫さんも責任をとがめられているでしょうし、彼一人の判断で動いているわけではなさそうですね。
S&Pの格付け「ネガティブ」へ変更
3つ目の理由は
格付け会社からの評価が引き下げられたことです。
メリカの格付け会社のS&Pグローバル・レーティングはソフトバンクグループの格付けを更新しました。
長期債権発行体格付けは従来どおりBB+でした。
この発行体格付けとは信用リスクの度合いを示したもので、AAAからDランクまであります。
BB+は一般に投機的、または投資に適さないグレードと見なされています。
格付け一覧を下に掲載します。

変更されたのはアウトルックという項目です。
アウトルックとは中期的(半年~2年)にどの方向に動きそうかを示すものですが
これが「安定的」から「ネガティブ」へと下げられました。
ネガティブとは、格付けが引き下げられる可能性があるという段階のことです。
理由は
・weworkなどの投資先で多額の評価損を計上したこと
・大規模な自社株買いを発表したにも関わらず、株価が反応しなかったこと
が挙げられます。
まとめ
ソフトバンク今危機的状況に陥っています。
大手企業だからと言って、安易に投資しない方がいいです。
また、同社は日経平均株価の構成比率も高いので、ソフトバンクの下落は日経平均の下落にもつながります。
日経平均連動の投資信託などはしばらく低迷を続ける可能性があります。
なるべくキャッシュポジションを増やして機会を待ちましょう。
以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。