今回はSTADIA関連銘柄のシリコンスタジオについて書きます。この銘柄は悪材料と良材料が混在しているので、買おうか迷っている人は参考にしてください。
【STADIA関連】シリコンスタジオ<3907>の株価に期待できない理由
シリコンスタジオはGoogleのクラウドゲーム「STADIA」に同社の※ミドルウェアを提供するということで知られています。
※ミドルウェアとはゲーム内の映像・音楽を制御するソフト
この記事の要点です。
- 業績は赤字続きだったが、黒字転換予想
- -40%以上の下方修正など、見通しが甘い傾向がある
- 自己資本比率が高く、倒産リスクは低い
- 株価が割高
企業情報
社名 | シリコンスタジオ株式会社 |
所在 | 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-21-3 NRビル |
設立 | 1999年11月 |
資本金 | 439百万円 |
代表取締役社長 | 梶谷 眞一郎 |
従業員 | 単体169名 連結229名 |
大株主 | 関本晃靖 会長 寺田健彦 前社長 |
事業内容
1.開発・支援事業
コンシューマゲームの開発技術提供
自動車業界向け3DCG技術の提供
組み込み機器向けミドルウェアの提供
オンラインゲームのネットワーク構築
2.人財事業
ゲーム業界のクリエイター派遣・紹介サービス
業績
シリコンスタジオ過去4年間の業績をまとめました。
(百万) | 売上 | 経常利益 | 最終益 | 1株配当 |
2015年11月 | 8,231 | 252 | 146 | 10 |
2016年11月 | 7.001 | -428 | -499 | 10 |
2017年11月 | 6,115 | -1,202 | -1,137 | 0 |
2018年11月 | 5,002 | -804 | -715 | 0 |
2019年11月予想 | 4,924 | 60 | 68 | 0 |
業績は結構悪いですね
2019年11月予想で売上が減っているのは、負債になっていた事業を切り離したからです。
良要素
・採算の取れない事業を撤退し、2019年11月では経常利益と最終益が黒字転換
悪要素
・売上が5年連続減少
・配当金なし
気になる今後の株価
チャートは頼りない動き
下図はシリコンスタジオの5年チャートです。
引用:Yahoo!ファイナンス
株価 | 1,710 | 時価総額 | 50億円 |
PER | 73.4 | 信用倍率 | ー |
PBR | 3.52 | 外国人保有率 | 3.7% |
配当利回り | 0 | 浮動株 | 51.5% |
・12月20日に-47.8%の下方修正を発表しました。その影響で株価は大きく下げましたが、12月26日に「ポケモンソードシールド」に同社のミドルウェアが採用されたことが発表され、株価が持ち直しました。
株価の下落を抑えるために下方修正のタイミングをポケモンの発表の直前に持ってきたのでしょう。そのあたり、株主を意識した広報活動をしてくれていることがわかりますね。
・浮動株は高いです。浮動株とは個人投資家の割合だと思ってくれたら大丈夫です。機関投資家や外国人投資家の割合は非常に低く、人気がない銘柄だと言えます。謎の高騰や下落はないので、投資家心理を読めば値動きは予測できそうですね。
財務状況はそこまでヤバくない
シリコンスタジオの財務状況を一部有価証券報告書より抜粋しました。
営業CF | -456百万円 |
現金同等物 | 693百万円 |
自己資本比率 | 63.4% |
利益剰余金 | -996百万円 |
有利子負債 | 242百万円 |
ROE | 4.79% |
ROA | 3.04% |
良要素
・現金同等物>有利子負債なので、倒産リスクは少ない
・自己資本比率は高く、倒産リスクは少ない
悪要素
・営業CFがマイナス
・ROEが低い
まとめ
第一候補で買うべきではない銘柄です。
理由を書きます。
・売り上げが伸びていないので、伸びしろが少ない
・注目度が高くない割にPERとPBRが高い
・赤字が多いので、経営が上手くない
・倒産リスクは少ない
・Googleという大口取引先がいる
・クラウドゲームが拡大すればチャンス
といった、どっちつかずの様子です。
クラウドゲームに興味がある方や、シリコンスタジオを気に入っている方は買ってもいいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。