2019年10月16日にロゼッタ(6182)の株価が暴落した理由について考察します。
ロゼッタはなぜ暴落したのか【マザーズの落とし穴】
ロゼッタは10月16日に前日比ー700円。割合にして-16.97%のストップ安と大きく株価を下げました。
引用:楽天証券_ロゼッタ
10月15日の決算では前年比を大きく上回る業績を発表したにも関わらず、なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
理由は以下の2つが考えられます。
- 2Qの決算が投資家の予想を大きく下回った。
- 大型株を買う資金を得るためにマザーズが売却された。
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決算はよく見ると悪い
10月15日に発表された、第2四半期連結です。
(百万円) | 2019年2Q連結 | 2020年2Q連結 | 前年比 |
売上高 | 1,292 | 1,935 | 149.8% |
経常利益 | 84 | 310 | 369.8% |
純利益 | 61 | 176 | 288.8% |
引用:ロゼッタ_決算資料
売上高、経常利益、純利益全てにおいて順調に見えます。
決算資料にもこの数字が目立つように記載されているので、株価が大きく上がるような気がしてしまいますね。
しかし、1Qと2Qの決算を比較するとこのようになります。
(百万円) | 2020年1Q | 2020年2Q | 前期比 |
売上高 | 975 | 960 | 98% |
経常利益 | 170 | 140 | 82.3% |
純利益 | 110 | 58 | 52.7% |
純利益が1Qに比べて52.7%と落ち込んでいます。
つまり、今期は収益力が減速しています。
仮にこの状態が続いたとして、
1Q純利益・・・110百万円
2Q純利益・・・58百万円
3Q純利益・・・58百万円
4Q純利益・・・58百万円
通期純利益 284百万円とします。
この場合の進捗率は一体いくらになるか検証したいところ。
しかし、ロゼッタは今年の連結業績予想を出していません。
これは2019年7月12日に発表された決算資料の一部です。
成長期の為、連結の業績予想が公表されていないという状況です。
ヒントは過去最高(昨年)以上の業績ということだけ。
ちなみに去年の通期純利益は255百万円でした。
先ほど仮定した今年の通期純利益が284万円だったので、去年よりちょっと増えただけ。
そして、この結果がホルダーたちの想定とどれだけギャップがあったかを確認します。
1Qに発表された業績です。
(百万円) | 2019年1Q | 2020年1Q | 前年比 |
売上高 | 651 | 975 | 149% |
経常利益 | 46 | 170 | 369% |
純利益 | 35 | 110 | 308% |
このときは前年比で約3倍の業績が期待できました。
つまり、連結業績も去年の3倍ほどになると期待していたホルダーが多かったことが考えられます。
ホルダーの予想と今回の結果では大きなギャップがあったことがわかりますね。
以上のことが株価が大きく下がった要因の一つとして挙げられます。
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米中貿易戦争の休戦
10月10日、11日の米中閣僚級協議で一部合意との報道があり、懸念されていた中国への関税は先延ばしとなりました。
このことから、日経平均株価は高騰していますが、もちろん全ての株価が上がったわけではありません。
上昇した銘柄は、「業績が悪くないにもかかわらず、米中貿易戦争による懸念を受けて下落していた銘柄」です。
違う言い方をすれば、中国、米と取引をするような大型企業です。
このような大型企業資金を集中させるため、内需銘柄、マザーズなどの銘柄が売却されることとなりました。
10月16日の株価推移です↓

大まかにストーリーをまとめるとこんな感じ
米中貿易戦争の懸念により、大型株が売られる
↓
大型株を売却して得た資金を新興市場に注いだ
↓
10/12 米中貿易協議で懸念先延ばし
↓
大型株が伸びると踏んだ投資家たちは急いで新興市場の株を売却した
↓
結果、日経平均株価が上昇し、マザーズ、JASDAQの株価は下落した。
これがロゼッタの株価が暴落したもう一つの理由だと考えられます。
タイミングが悪かったですね。。
逆に言えば、大型株は上昇しているので、今回のように外的要因で株価が下落しているときは仕込み時と考えた方がいいですね。
以上になります、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。