原油系大手企業のJXTGの株価が決算後に暴落しました。その原因と銘柄分析を書きます。
JXTG大暴落 しばらく様子見か
JXTGホールディングスは決算後に株価を大きく下げました。
業績悪化もありますが、この手の原油関係の企業は原油価格にも大きく影響を受けます。
配当利回りが高いので、魅力的ですが、ひとまず様子見するのが賢明かと思います。
この記事の要点は以下の3つ
・アメリカを中心とする貿易摩擦により原油価格が不安定
・株価回復が期待できる
・業績悪化は一時的
では、株価分析と企業情報を書いていきます。
日本を代表する巨大石油企業
社名 | JXTGホールディングス(株) |
本社所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2010年4月 |
事業内容 | 石油精製販売、開発 |
資本金 | 1000億円 |
従業員数 | 連結 4万695人 |
代表取締役社長 | 杉森務 |
3つ事業内容
以下の3つの事業が中枢となっています。
- エネルギー
グループにおける最大の中核会社
石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油など)の製造および販売
石油化学製品の製造および販売
ガス(LPガス・LNG)・石炭の輸入および販売
電力の販売 - 石油・天然ガス開発事業
JXTGグループにおいて、上流にあたる石油・天然ガス開発を担う中核会社
石油、天然ガスその他の鉱物資源の探鉱および開発
石油、天然ガスその他の鉱物資源およびそれらの副産物の採取、加工、貯蔵、売買および輸送 - 金属事業
銅を中心とした資源・素材の供給を担う非鉄金属の総合メーカー
非鉄金属資源の開発・採掘
非鉄金属製品(銅・金・銀など)および電材加工製品の製造・販売
非鉄金属リサイクルおよび産業廃棄物処理
業績{株価暴落の原因}
先日の株価暴落は
第一四半期の業績悪化です。
(百万円) | 売上高 | 経常利益 | 純利益 |
18年4~6月 | 2,566,927 | 217,196 | 145,138 |
19年4~6月 | 2,514,844 | 42,533 | 17,387 |
前年比 | -2% | -80.4% | -88.0% |
純利益がー80.4%
原因
①原油・銅・為替価格の低下
②低燃費化、供給過多による石油製品の需要低下
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なぜ原油価格が下がるのか
原油の価格も株価と同じく、需要があれば高騰し、需要がなくなれば下落します。
上がる要因と下がる要因をまとめました。
原油価格が上がる
・原油生産国が生産量を少なくする
・世界的に原油の消費量が増加
原油価格が下がる
・原油生産国が生産量を増やす
・米国の原油の保有量が多い
・米国とサウジアラビアの対立
・ドル高
WTI原油先物のチャートです↓

現在は去年の同時期に比べて、1バレル当たり14ドルも安くなっています。
割合にしてー20.5%です。
下がり幅は非常に大きいですね。
通期の業績は悪くない
通期の業績予想はそこまで悪くない模様。
(百万円) | 売上高 | 経常利益 | 純利益 | 配当金 |
2017年3月 | 7,025,062 | 249,115 | 150,008 | 16円 |
2018年3月 | 10,301,072 | 467,435 | 361,922 | 19円 |
2019年3月 | 11,129,630 | 508,617 | 322,319 | 21円 |
2020年3月予定 | 11,500,000 | 515,000 | 320,000 | 22円 |
引用:株探_JXTG
あくまでも予想です。笑
良い要素
・配当金は年々増加
・売上高は増加しているので、事業規模が拡大している
悪い要素
・純利益、経常利益は2年ぶりの下落
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財務状況
財務状況を一部抜粋しました。
ROE | 12.3% |
ROA | 3.8% |
営業CF | 3,441百万円 |
財務CF | -1,966百万円 |
投資CF | -2,096百万円 |
現金等 | 3,789百万円 |
自己資本 | 2,717,840百万円 |
自己資本率 | 32.1% |
利益剰余金 | 1,272,960百万円 |
有利子負債 | 2,217,933百万円 |
引用:株探_JXTG
ROEとROAの差が大きいですね、こういう場合はレバレッジ経営と言って、多額の借金をして経営しているパターンです。
有利子負債が大きいのがその証拠ですね。
多くの利益を生み出すことが出来ますが、失敗したときのリスクも大きいです。
良い要素
・ROEが高い
・営業CFがプラス
悪い要素
・自己資本率が低い
・有利子負債が大きい
優位性
・ガソリン販売シェア国内No.1
エネオスなどのガソリンスタンドを手掛けています。
需要がなくなることはないでしょう。
・原油処理能力国内No.1
・パラキシレン供給能力アジアNo.1
パラキシレンは合成樹脂の材料となるもので、安定した需要があります。
ですが、中国におけるパラキシレン供給過多により、今回の業績は低下しました。
株価予想
上図が株価と移動平均線で、下図がMACDです。
PER 4.58倍
PBR 0.55倍
配当利回り 4.8%
信用倍率 9.78倍
外国人投資家所有率 37.2%
投資信託所有率 9.5%
2018年と比べると大きく下落していますね。
この銘柄は原油価格につられる性質があるので、
原油が高騰しないと株価が高騰するのは難しいと思います。
現在(2019年8月11日)の原油価格は著しく低下しています。
下落抑制措置を必ず取ってくるので、徐々に原油価格は回復すると思います。
また、通期の業績はそこまで悪くはありませんでしたね。
株を買うのはそれからでいいかと思います。
450円で200株、430円で200株、のように下落に対応で切るように分配して買うのがおすすめです。
良い要素
・PER低め
・PBR低い
・配当利回りが高い
悪い要素
・信用倍率が高いので、売りが入りやすい
・MACDでは下降トレンド
まとめ
株価下落の原因
→1Qの業績悪化
業績悪化の原因
→原油価格低下
→石油製品の供給過多
原油価格低下の要因
→景気悪化による需要低下の懸念
→米を中心とする貿易摩擦
株を買うタイミング
→①原油価格の上昇
→②業績改善
①原油価格の上昇
→下落抑制措置
→ドル安
②業績改善
→通期の業績は安定
せっかくの高配当銘柄なので、見逃すのはもったいないですね。
テクニカル指標を用いてしっかり底を見極めてから買いましょう。
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。