銘柄分析

電通(4324)株価回復するが、限定的か。減配の可能性について。

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電通の株価が回復してきているので、その要因と今後の株価や業績推移について考察しました。

電通(4324)株価回復するが、限定的か。減配の可能性について。

この記事の要点です。

  1. 全体的に業績は下がっているが、米州での事業は好調
  2. 配当金は5年で2倍になっているが、配当性向が高すぎるので、来期は減配の可能性も。。
  3. 株価は現在妥当。

 

日本一の広告企業

電通の企業情報です。

社名 株式会社電通
設立 1906年
本社所在地 東京都港区
決算期 12月
代表取締役 山本 敏博
髙田 佳夫
遠谷 信幸
従業員 連結 62,608名
大株主 日本マスター信託口
ニホントラスティ信託口

言わずと知れた日本トップシェアを誇る広告企業です。
近年では海外企業のM&Aを活発に行い、事業の幅を海外にまで進展させています。

事業

行っている事業は多岐にわたりますが、

主に企業のイシュー(問題)を電通の得意とする分野から解決することです。

電通の事業領域は

・メディア ・コンテンツ ・デジタルマーケティング ・マーケティング ・プロモーション ・クリエーティブ ・PR ・グローバルビジネス

となります。

決算書でのセグメントは
①国内事業
②海外事業
に分けられます。

セグメント別売上高はこんな感じです。

 

配当は連続増配

電通の配当金は5年間で約2倍になっています。


引用:電通_決算資料

増配していますが、配当性向は2019年に大きく上がっています。
配当性向とは、純利益の中で配当金が占める割合のことです。

2019年は74.8%ということは配当金がだいぶ利益を圧迫していることがわかります。
また、配当性向が高すぎると翌年の増配が期待できなくなりますので注意。


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電通の優位性


グローバル化

電通は現在145か国以上の国で事業を展開しています。
日本ではすでにトップシェアを獲得している為、これ以上の成長は難しいですが、海外に進出することで新たな顧客を開拓しています。

インターネット広告
スマートフォンが普及していることから、10~20代の人たちはTVではなくYoutubeやSNSを見る時間が増えました。その為、広告業界ではインターネット上での広告を重要視しており、需要が急増しています。
ちなみに直近の決算では、インターネット業務の売上は前年同期比+30%となっています。

利益は下がっている

2015年から2019年の業績推移です。

売上は右肩上がりとなっていますが、利益は減少しています。
前年は関連会社の株式売却による利益があったため、2019年は減少します。

電通の決算書にはオーガニック成長率という指標があります。
オーガニック成長率とは、「自立的成長」ということですので、会社が今持っているサービスや商品によって、そのまま売上を伸ばして会社として進化していこうという考え方です。
M&A用語辞典
M&Aを多く行う会社は利益の増減が激しいので、成長率をわかりやすくするための指標です。

その指標が

国内事業では-0.9%
海外事業では-1.0%

となっていて、マイナス成長状態です。

 

続いてEPSの推移です。

EPSは連続で減少しています。

国内事業では
テレビ -3.5%
クリエーティブ -2.4%
コンテンツサービス -8.9%

海外事業では
アジア太平洋 -9.7%

など、様々な業務分野で売り上げ減になっていることが起因しています。

財務は平均以下

2015年~2019年の自己資本比率と自己資本の推移です。

自己資本比率は30%とあまり高くないです。
事業規模は広がっているのに自己資本が下がっているのは不安ですね。
海外展開するには多額の投資が必要でしょうし、資本を増やして企業としての体力をつけて欲しいです。

収益力低い

2015年から2019年のROE・ROA・売上利益率の推移です。

収益力は低い

ROEは自己資本利益率といって、株主から得た資本からどれだけ利益を生み出しているかを表す指標になります。
ROE10%以上で合格ラインとされていますので、この値は低いです

ROAは総資本利益率といって、自己資本+有利子負債を合わせた金額からどれだけ利益を生み出しているかを表す指標になります。
ROAは5%以上で合格ラインです。

売上利益率は3年連続で減少しています
この値が増加していないと企業の成長にあまり期待できないので、来期にはあがってほしいところです。

株価推移

電通の5年チャートです。


引用:楽天証券_電通_チャート

株価 4,135円
PER 32.22 信用倍率 1.28倍
PBR 1.10 外国人保有率 18.9%
配当 2.29% 浮動株 5.6%

業績悪化に伴い、株価は右肩下がりでした。
2019年3Q決算で米州での事業が堅調に推移していることから、回復期待が持たれて株価が持ち直しています。

現在の株価はPER、PBR的には妥当な価格かと思います。

配当利回りは悪くないですが、2019年の配当性向が非常に高いので、来期の業績が改善されなければ減配が考えられます。そうなると株価の下落を引き起こすので、注意です。

信用倍率、外国人保有率は高くないので、急激な下落は起こりにくいかと。

また、電通は「電通グループ株式会社」に改名し、会社体系と役員編成を大きく変えることを発表しているので、何かしら好転することはあるかもしれませんが、業績に恩恵をもたらすのは先の話かと思います。

まとめ

・オリンピック需要がある
・海外でM&Aを活発に行っている

・収益力が低い。減少している。
・自己資本比率が低い
・配当性向が急激に上がっている

以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。