高配当で人気のあるキヤノンですが、実は結構な爆弾を抱えています。キヤノンの株を保有もしくは購入検討している方は必見です。
企業情報
キヤノンの企業情報です。
社名 | キヤノン株式会社 |
設立 | 1937年 |
本社所在地 | 東京都大田区 |
従業員数 | 25,921人(単体) |
平均年収 | 780万円 |
代表取締役会長 | 御手洗 冨士夫 |
大株主 | 自社 日本マスタートラスト 日本トラスティ信託 |
かなり歴史の長い企業なんですね
また、株式保有率がいちばん高いのが自社というのが特徴ですね。
事業内容
キヤノンの事業内容です。

・カメラ事業が60%と最も多い割合を占めていますね。
また、製品の世界シェア率が高いのが強みとなっています。


ここまで見ると、
カメラ、オフィス用機械での世界シェア1位、他の製品も世界シェア上位であることから、
かなり波に乗っている企業ととらえることができます。
が、投資判断はそれだけではできません。
キヤノンの配当金を見てみましょう。
配当金推移
こちらは過去5年間の配当金の推移と配当性向です。
キャノンは30年間減配していないという実績があります。
そのため、会社のプライドと株主からのプレッシャーがあり、業績が落ち込んでいても減配できない状態が続いています。
しかし、2019年では配当性向が136%となっています。
配当性向とは、「純利益のうちに占める配当金の割合」のことです。
※計算式は 1株当たりの配当金÷EPS×100
これが高いということは配当金が利益を圧迫しているということです。
136%ということは純利益を超える金額を出しているということですよね。。
こんなことが続けば会社は倒産してしまいます。。
そのため、来期には減配する可能性が高いです。
業績
こちらは5年間の業績です。
出典:https://kabutan.jp/stock/finance?code=7751
2020年では増収増益予想となっていますが、
2018年から比較すると減収減益となっています。
この業績悪化の要因を調べてみました。
下図はセグメント別の業績になります。
出典:キヤノン_決算発表資料
世界シェアナンバーワンのオフィス機器とカメラ事業の業績が大幅に悪化していることがわかりました。
ではなぜこれらが売れなくなったか、ということですが・・
▼レーザープリンター不調の原因
ペーパーレス化が進み、会社での印刷物が減る傾向になっているから
▼カメラ不調の理由
スマホのカメラ技術が発展し、大きな一眼レフが必要なくなったから
といったところですね。
主力製品が時代の波と逆行しているのは厳しい状況ですね。
今後どうなる?
2019年は配当性向が136%となりましたが、
2020年はどうでしょうか、
2020年の予想EPS(一株当たりの純利益)は150円となっています。
仮に配当金を160円のまま維持すると、またもや配当性向が100%を超えることとなります。
かなりやばい状態であることがわかりますね。
この100%を超えた分の配当金は利益剰余金から支払われます。
キヤノンの財務状況を見てみましょう。
出典:https://kabutan.jp/stock/finance?code=7751
利益剰余金は1年間の利益の20倍近くあるので、
一応余力はたっぷりありました。笑
しかし、こわいのは本当に減配してしまった時ですね。
配当金を維持し続けていた企業が減配が行われると、株主から見放されて、株が一気に売られてしまうからです。
そうなると、ホルダーとしては減配&株価下落のダブルパンチを食らってしまいます。
こういったリスクを考えると、あえてキヤノンに投資する必要はないかと思います。
ストックオプション制度
キヤノンは2月13日にストックオプションを発行しました。

出典:http://kabutan.jp/disclosures/pdf/20200213/140120200213463548/
ストックオプションとは・・
一定の期間内であれば、自社の株をあらかじめ決められた価格で、好きなタイミングで購入できる権利
簡単に言えば、プレミア価格がついた車を自分だけはプレミア前の価格で買えちゃうという超有利な制度です。
逆に株価が下がってしまえば買わなけらばいい話なので、この権利を与えられた人間にはメリットしかないわけです。
なぜこんな権利があるかというと、
・優秀な人材を会社に留めるため
・株価が上がれば自分の利益似つなるので、士気が向上する
といった狙いがあります。
かのウォーレンバフェットはこのストックオプションを非常に嫌っており、この制度を採用している企業には投資するな!と言っているほどです。
まとめ
ポジティブ要素
・世界シェアナンバーワンの製品を保有
・財務は安定
・高配当
ネガティブ要素
・減配する可能性が高い
・株価が下落する可能性が高い
・主力製品が売れていないので、先行きが不安
以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。